こっくり濃い色の固めプリン、スプーンで掬えば程よい弾力が…と思いきや、なんだかボロボロ。口当たりもなんだか茶わん蒸しのよう…。身近で挑戦しやすいお菓子であるプリンですが、思うような仕上がりはなかなか難しいですよね。そこで今回は、プリンを成功させるコツについて科学の視点からご紹介!この記事を見て、自分好みのプリンを実現しちゃいましょう

なぜ固めプリンはボロボロになる?プリンが固まる仕組みから解説
本題に入る前に、プリンが固まる仕組みからご紹介します。
というのも固めのプリンはゼラチンで固めるプリンと異なり、主に卵と加熱によって固まります。卵に含まれるタンパク質が、熱で固まる性質(熱凝固性)を持っているからです。

では、そんな固めプリンがボロボロになりやすいのはなぜでしょうか。
結論から言うと、以下の3つが主な原因となります。
1.卵の割合が高い
2.温度が高すぎる・加熱時間が長すぎる
3.砂糖が少なすぎる
ここからはそれぞれについて詳しく解説していきます。
固めプリンの失敗原因その1 卵の割合が高い
卵がプリンを固めているなら、卵を増やせば増やすほど固くなっていいんじゃない?と思った方、ご名答です。実際に固めプリンは卵1個に対して牛乳が80ml~100ml程度と少なめのレシピが多く見られます。実際にこれは柔らかめのプリンと比較して半分程度の水分量であり、卵の割合が高くなっています。

一方で卵の割合が高いとタンパク質同士の密度が高くなるため、結果水分を抱え込みづらいという面もあります。通常、プリンの水分は網目の間に抱え込まれるように存在しますが、それが押し出されてしまいやすいのです。
水分がうまく抱え込めないと、卵焼きのようなもろっとした食感になってしまいます。卵の割合は慎重に増やすようにしましょう。
固めプリンの失敗原因その2 温度が高すぎる

固めプリンにおいて一番肝心なのは温度管理です。純粋な卵のタンパク質が固まる温度は、条件によっても異なりますが以下に示した通り。この温度を意識しつつ、適切な時間加熱することが成功の秘訣となります。
卵の熱凝固温度の目安
卵黄…約65℃~75℃
卵白…約60℃~80℃
例えば失敗プリンの中にできる気泡である「す」。口当たりの悪くなる原因です。
高温すぎる、加熱しすぎることで生まれます。
簡単に説明すると、「す」とは水分や生地を作る工程で含まれた空気が、加熱によって気化したり膨張した跡なのです。
さらに引き起こされるのは「す」のみではありません。「離水」という現象も同時に起こります。「離水」とはタンパク質の網目構造が加熱により収縮することで、抱え込んでいた水分が押し出されてしまうことです。肉を焼きすぎると水分が出てかたくなってしまうのと同じ現象ですね。
離水が起こると底に水分が溜まりカラメルが薄くなったり、口の中で分離する印象を受けることがあるので注意しましょう。
固めプリンの失敗原因その3 砂糖が少なすぎる
上の2つを気を付けてるのに、なぜかプリンが成功しない!そんな方は砂糖の量を確認してみてください。実はプリンの食感と砂糖には深い関係があるのです。

プリン作りにおいて砂糖は甘味の役割だけでなく、「保水」の役割も担っています。タンパク質の網目構造に抱え込まれた水分は、砂糖と混ざるとそこに留まりやすくなるのです。
砂糖が足りていないと水分が抜けやすくなります。結果タンパク質同士が近づきやすくなってしまうので、低い温度で固まり始めてしまいやすく、離水の原因ともなります。甘さを控えたい場合は全体の10%程度から調整すると安心かもしれません。
ただし、砂糖を加えすぎると柔らかくなりすぎてしまうので注意が必要です。
ねっちり固めプリンレシピ決定版!濃厚の秘訣は○○!?
ではさっそく固めプリン作りに取り掛かりましょう。
特別な材料の必要ナシ!失敗しやすいポイントおさえつつご紹介します。

材料(プリン液)
・卵 2個
・砂糖 大さじ4
・牛乳 140ml
・サラダ油 大さじ2
・ラム酒やバニラ 適量、お好みで香りづけに
Point サラダ油
油分が加わることで生クリームを使用したときに近い、滑らかな口当たりに
下準備
・カラメルをしく場合は、使用する型の大きさに合わせて準備し型に流しておく
・オーブンを130℃に予熱しておく
・牛乳を人肌程度に温める(バニラをさやで使用する場合はここで一緒に温める)
・卵白と卵黄を分けておく
工程
1.卵黄と砂糖をよく混ぜ合わせる
2.1にサラダ油を2回に分けて加え、白っぽくもったりするまで都度よく混ぜ合わせる。
Point 卵黄に含まれるレシチンには「乳化」を助ける効果があり、サラダ油の分離を防ぐ。
※できた気泡はほとんどが牛乳を加えると壊れ、「す」にはなりづらいので安心してください

3.2に人肌程度に温めた牛乳、卵白の順に加える。卵白を加えたら泡立てないように静かに合わせる。
Point 卵白の気泡は安定性が高く「す」の原因になりやすいので泡立て注意

4.3を濾して型に流し込み、蓋をせず120℃に温度を下げたオーブンで、30分程度じっくり焼く。
Point 低温でじっくり焼くことで、水分を逃がさず滑らかな仕上がりに

5.中心が少し揺れるくらいになったら完成
※加熱時間は使用する型によって大きく異なります。(今回は小サイズのプリン型を想定)
※火が通ってなかったら5分~10分ずつくらいずつ焼き時間を延ばし様子を見るようにしてください。
微調整をしたい場合は100℃くらいに温度を下げて様子を見るのもOK

補足
・香料を入れたい場合、バニラエッセンスやラム酒であれば卵黄生地に牛乳を加えるタイミングで加える。バニラオイルであれば2の後に加えると香りが出やすい。
・2でできた気泡が最終的に表面に細かく出てきます。そのまま焼いても焼きプリンのような質感が楽しめるのでお好みで残したり取り除いたりしてください。

まとめ 固めプリンの成功の秘訣は卵の特性にあった
卵の力で固まるプリンは、卵の特性を知れば成功する確率がぐんと上がります。また、今回ご紹介したレシピでは卵のもう一つの特性である「乳化」を利用してサラダ油を加えることで、手軽に濃厚な味わいを実現しました。材料が少ないことが一つの魅力であるプリン、家庭にある材料で一段上の仕上がりにできるのは嬉しいですよね。
料理のどうして?を知れば、身近なもので理想の一口をつくることができるかも。このサイトでは、料理のなぜ?を他にもたくさんご紹介していきます、他の記事もぜひ併せてご覧ください。

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